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スプリットクレストとは

スプリットクレストは、インプラント体を埋入しようとする歯槽骨の部位が、水平方向(幅)に不足している場合におこなわれる骨造成術です。日本語では「歯槽堤分割術(しそうていぶんかつじゅつ)」とも言われています。その方法は、ノミのような特殊な器具で、幅の狭い歯槽骨を少しづつ割っていくように分割します。その分割した隙間にインプラント体を埋入して、隙間を骨補填材などで埋めていきます。

スプリットクレストのメリットデメリット

メリット

スプリットクレストの大きなメリットは、インプラント治療を行おうとする部位の骨の幅が狭くても、治療が実施できるということです。歯槽骨は歯がなくなると吸収されて、厚みがなくなったり、幅がなくなったりします。特に前歯の場合にはもともとの幅がないので、インプラント治療が難しい場合がありました。インプラント体は最低でも4ミリ程度の径があるため、歯槽骨は5ミリから6ミリ程度の幅は必要です。そこで、このスプリットクレストを実施すれば、3ミリから4ミリの骨の幅でもインプラント治療が可能なのです。また、もう一つのメリットとして、ほかの骨造成法と比較して、スプリットクレストは、外科的な侵襲が少ないということもあげられます。

デメリット

スプリットクレストのデメリットは、どのような状態でも適応になるわけではない、ということです。最低でも3ミリ程度の骨の幅がないと実施ができません。また、骨の質が硬すぎる場合にも実施ができません。これは、少しづつ歯槽骨を割っていくために、硬すぎると割れすぎてしまうためです。かなり繊細な手技が必要となります。

手術の流れ

スプリットクレストの手術は、まず歯肉の切開から始めます。歯肉の切開、剥離をおこない、歯槽骨を露出します。そして、歯槽骨の頂点部分から、飲みのような器具を使用して、少しづつ骨を2分割していきます(現在では、超音波を発生させる医療機器を使用することも多くなってきたようです)。割れ目が入れば、器具の厚みを変えて、少しづつ幅を広げ、最後はドリルによって孔を開けます。骨の状態が良い場合には、同時にインプラント体を入れ、骨補填材などで隙間を埋めます。骨の状態が悪いと、骨補填材などだけを入れて骨造成を待つ場合もあります。

スプリットクレストの症例

56歳女性の症例です。下顎の左側犬歯が破折、左右の臼歯が欠損していて、咬合障害がありました。治療は2回に分けておこなわれ、1回目は右側臼歯のスプリットクレストをおこないインプラントを埋入、2回目は犬歯と臼歯をおこないました。この治療では、幅の拡大を重要視せずに、最低限に抑えています。その事によって、歯槽骨の組織が破壊されずに、血液供給が遮断されないためです。結果的に、血液が供給され続けたことによって、術後の骨吸収は認められませんでした。

参照元URL:【PDF】歯槽頂分割法奄用いた水平的歯槽堤増大

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