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ザイゴマインプラント

ザイゴマは「頬骨」の意味。ザイゴマインプラントは、頬骨に埋め込むインプラントを指します。手術当日に仮歯を装着できるのが特徴。ただし、専門知識や設備、高いスキルが要求されるため、対応している歯科医院の数が少ないのが現状のようです。

ザイゴマインプラントのメリットデメリット

メリット

手術当日に人工歯が固定できる

歯茎が痩せているまたは歯がぐらついて噛めない人がインプラント手術を受ける場合、人工の骨を顎に移植してからインプラント埋入手術を実施していました。その場合、骨とインプラントを結合するまでの間、約6か月の待機が必要だとされています。その間は入れ歯を使用しなければなりません。入れ歯の不便さから解放されたい人にとっては、我慢の日々となるでしょう。

ザイゴマインプラントは、頬骨にインプラントを埋め込む治療法。顎に骨を移植する必要はありません。顎の骨は硬いためインプラントがしっかり固定されるので、手術当日に人工歯を装着できるようになったのです。

デメリット

対応できる歯科医院が少ない

通常のインプラント体の長さは10~15mm、ザイゴマインプラント52.5mm(※)と5倍以上の長さです。しかも、頬骨に斜めに埋め込まなければなりません。埋め込む角度が1度でもズレた場合、埋入位置に誤差が出るといわれています。「通常より長いインプラント体を斜めに埋め込む。正しい位置で。」これはかなり難しい手術です。専門の知識や誤差なく正しい位置にインプラント体埋入できる技術、ザイゴマインプラントに対応できる設備が整った歯科医院でなければなりません。ザイゴマインプラント手術を行っている歯科医院は、限られているのです。

※参照元:スマイルオフィス デンタルクリニック(https://smile-office-dental.com/implant-zaigoma/)

手術の流れ

参照元:マモ インプラントクリニック(https://mamosan-dental.com/zygoma/zygoma_flow.html)

ザイゴマインプラントの症例

咬合再建のためインプラントを希望した65歳女性の症例です。インプラント手術の説明の際、医師から腸骨移植による上顎洞底挙上術とザイゴマティックインプラントを薦められたようですが、腸骨から骨を移植することに女性はためらっていました。「腸骨から骨を移植」女性が戸惑うのも無理はありません。そのため医師は違う方法を女性に提案したのです。

それは、両側に45mmのザイゴマインプラントを1本ずつ、前の歯部分に直径3.75mm、長さ13mmのノーベルバイオケア社製スタンダードフィクスチャー4本を埋め込む方法です。6か月後にアパットメントの連結とレジンフレームですべてのインプラントを連結し人工歯の調整をしています。レジンフレームは金属線で補強したようです。その後、上部構造の作成に移ります。

手術後、X線写真撮影したところ、副鼻腔の4つある空洞のうち頬の内側にある左側の上顎洞に細菌感染の疑いが認められましたが、10か月後のX線写真撮影では炎症は見られなかったようです。

参照元「ザイゴマティックインプラントを用いた咬合再建(症例1)」│日本口腔科学会雑誌(2001)

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