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GBR法とは、インプラント治療をおこなう際に骨の量が足りない場合に実施する骨造成術です。正式には「Guided Bone Regeneration:骨再生誘導法」と言います。具体的には、骨の足りない部分に骨補填材や自家骨(自分の骨)を入れて、「メンブレン」という特殊な膜で覆います。そうすることによって、骨を造る骨芽細胞が増殖していきます。
GBR法の最大のメリットは、骨の量や厚みが足りていない場合でも、インプラント治療が受けられることです、インプラント治療を希望される患者さんの多くは、歯周病であったり、歯を失ってから長期間経過しています。
そのような場合には、歯槽骨(顎の骨の歯が生えている部分)が、物理的な刺激を受けないため吸収されてしまいます。そのため、以前はインプラント治療を受けられる人は限られていました。しかし、GBR法を始めとした骨造成法が実施されるようになってからは、多くの人がインプラント治療を受けられるようになったのです。GBR法はインプラント治療の可能性を広げるという大きなメリットがあります。
GBR法のデメリットは、大きく骨の量が足りない場合にはGBRだけの手術をおこなうため、治療期間が長くなり、手術回数も多くなってしまうことです。しかし、現在ではさまざまな手術方法も開発されていますので、インプラント埋入手術と同時にできるケースも多くなっています。
自分がどのケースに当たるかは、歯科クリニックで相談してみましょう。また、上顎は幅5ミリ・高さ10ミリ以下、下顎は幅5ミリ・高さ8ミリ以下がGBR法が検討される目安ですから、この条件以外は、ほかの骨造成法が検討されます。
まず、GBR単独の手術をおこなう場合です。インプラント体を埋入する部分の歯肉を切開し、骨補填材や自家骨など、骨が再生するための材料を埋め込みます。同時にその部分をメンブレンという人工の膜で覆います。これは、骨芽細胞という骨再生を促す組織以外の侵入を防ぐためです。
歯肉を縫合した後、3ヶ月から6ヶ月程度骨再生を待って、インプラント埋入手術をおこないます。インプラント埋入と同時におこなう場合には、まずインプラントを埋入してから骨補填材などを入れてメンブレンで覆います。
顔面に大怪我を負った17歳男性の症例です。上顎前歯を失ったため、固定式の義歯を希望していました。ただ、歯槽骨が垂直方向に退縮しているため、現状でのインプラント埋入は困難と判断。垂直的歯槽骨延長術をおこないました。
この手術は、歯槽骨を切断して特殊な装置を装着、骨再生を利用して、垂直的に歯槽骨を伸ばすものです。今回の場合には、骨の成長不良部分及び水平方向への骨造成のため、GBR法も併用して、良好な結果を得ました。
参照元URL:垂直的歯槽骨延長術および骨組織再生誘導法(GBR)を併用してインプラント治療を行った1症例
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