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サイナスリフトとは

サイナスリフトとは、上顎の奥歯部分にインプラントを入れる場合に、骨の厚みが足りないときにおこなう骨造成術です。歯肉を切開して、頬側からアプローチするのが特徴です。側方からのアプローチによって、上顎の上にある「上顎洞(じょうがくどう)」という空間を覆っている粘膜(シュナイダー膜)を持ち上げて、そこに骨補填材などを充填します。インプラント体埋入手術と同時におこなわれることもあります。

サイナスリフトの
メリットデメリット

メリット

サイナスリフトの大きなメリットは、骨造成が広範囲にできることです。同じようにシュナイダー膜を挙上させて、骨補填材などを充填する方法に「ソケットリフト」がありますが、その方法よりも、より厚みが足りない症例や、多数の歯をインプラントにする場合でも実施できることが特徴です。また、側方から歯肉と骨を大きく切開しておこなう方法ですので、視野が確保されることもメリットと言えます。上顎洞を覆うシュナイダー膜は卵の薄皮に例えられるくらいに薄いため、傷つけずに処置をするためには、視野が広いほうが確実です。

デメリット

サイナスリフトのデメリットは、治療期間が長くなってしまうことにあります。骨の量が多く足りない場合に適応される方法ですから、仕方がないことではありますが、多くの方がデメリットと感じています。インプラント埋入手術と同時におこなった場合でも3ヶ月から6ヶ月程度治療期間が伸びると言われていて、単独でサイナスリフトを行った場合は、さらに伸びてしまいます。また、もう一つのデメリットとして、大きく歯肉を切開して、骨も切削などをおこなうため、身体への負担も大きくなることが考えられます。

手術の流れ

サイナスリフトは、インプラント体を埋入しようとする部位の頬側から歯肉を切開して剥離、歯槽骨の一部を除去して、窓をつくり上顎洞にアプローチします。その窓から特殊な器具を使用して、シュナイダー膜を持ち上げて、空いたスペースに骨補填材などを充填していきます。重点が完了すれば歯槽骨を塞ぎ、メンブレンという特殊な膜で覆い、歯肉を縫合して完了します。インプラント体を同時に埋入する場合には、垂直方向から別の孔を開けて埋入していきます。

サイナスリフトの症例

49歳の女性の症例です。上顎の歯がないために、よく噛めないという訴えでした。診察してみたところ、上顎の複数の歯が欠損していて、そのために咬合障害を起こし、審美的にも障害がありました。治療方法としては、自家骨の採取を下顎からおこない、上顎の右側上顎洞内にサイナスリフトを実施して充填しました。骨造成を確認した約10ヶ月後にインプラント埋入手術を実施。2年経過後の確認でも良好な経過を得られています。

参照元URL:【PDF】ソケットリフトを併用した上顎臼歯部インプラントの臨床的評価

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