公開日: |更新日:
入れ歯は歯茎の粘膜で噛む力を支えていますが、オーバーデンチャーインプラントは、入れ歯にインプラントを埋め込んで噛む力を支える治療法です。顎にしっかり固定されるので、歯がぐらつくこともなく、入れ歯よりも噛む力が強いとされています。
入れ歯は、数年が経過すると安定しなくなり、歯がぐらついてしっかり噛むことができません。なぜなら、歯が欠損しているため顎の刺激が届かなくなり、骨が退化し変形するので、入れ歯が合わなくなるからです。入れ歯が合わないと、歯茎に当たると痛みを感じたり、食べ物が詰まったりする人もいるでしょう。オーバーデンチャーインプラントは、入れ歯とインプラントを連結して歯を固定しているので、歯がぐらつくこともなく、強い力でしっかり噛むことができるのです。
オーバーデンチャーインプラントは、入れ歯とインプラントをくっつけているので、顎にインプラントを埋め込む治療よりも、噛む力が弱くなるようです。弱くなったとしても、食事の際入れ歯より不便を感じることは少ないでしょう。
オーバーデンチャーインプラントは、希望するすべての人が受けられる治療ではありません。全身の健康状態が良いことが条件です。持病がある人や骨の状態によっては担当医師から断られることも。ヘビースモーカーもこれに当てはまるでしょう。
52歳女性の症例です。下顎すべてに入れ歯を装着していましたが、歯周病が悪化したため、このままの状態を維持することが難しくなったのです。彼女の場合、「通常の入れ歯では骨の量が足りないので入れ歯を安定させることができない」と医師が判断。入れ歯に4本のインプラントを連結して取り外しがスムーズにいくように作成。また、取ったり外したりするときに、アタッチメントに余計な力が加わらないように工夫されています。
先にバーを作り口腔内に装着したまま、メタルフレームを取り込んだ入れ歯が口腔内で安定してからマグネットをくっつけて、浮き上がるのを防いだため、歯がぐらつかずしっかり噛むことができるのです。新しく作り直したオーバーデンチャーインプラントは、「使用していた入れ歯よりも噛む力が安定した」と論文では説明しています。咀嚼機能評価は35→65点、患者の満足度も24→73点と大幅に改善されたようです。しっかり噛むことができると、食事の時間も楽しみになります。
参照元:「磁性バーアタッチメントを用いたザイゴマインプラントアーバーデンチャー症例」日本口腔インプラント学会誌.16巻2号(2003)
関連ページ
尾張北エリアで、インプラント治療を行えるだけの専門的な知識と技術を持つ医師が在籍し、精密な検査や治療を行える設備をそなえたクリニック厳選しました。インプラントを長く使い続けるためのメンテナンス体制にも注目してください。