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インプラント治療の即時荷重とは、インプラント手術をした当日(翌日の場合もあり)に仮歯を装着することです。一般的にインプラントの上部構造を装着するのは、骨とインプラント体が強固に結合(オッセオインテグレーション)する3ヶ月から6ヶ月後におこなわれますが、コンピュータソフトなどによる治療技術の向上によって、骨の状態が良ければ即時荷重が可能になっています。
即時荷重の大きなメリットは、インプラント手術当日から噛めることです。もちろん、まだインプラント体は強固に結合していませんから、何でも食べられるわけではありませんが、柔らかいものから噛んで食べることができます。また、「歯がない」姿を見られることもありません。
通常のインプラント治療では、埋入手術のあとに、歯肉を縫合するため、2回目の切開が必要でした。しかし、即時荷重では歯肉を縫合しないので手術は1回で済むため、通院回数や治療期間なども短縮できる可能性が高いです。
即時荷重は、顎の骨の状態がよく、手術直後でもしっかりとインプラント体が支えられることが条件となります。そのため、顎の骨の状態が悪い方は、通常のインプラント治療になってしまう可能性もあります。治療前に歯科医師とよく相談してみましょう。
即時荷重は、綿密な治療計画に基づいておこなわれる治療です。ですから、設備が整っていなかったり、即時荷重の経験がなかったりするクリニックでは治療自体をおこなっていない場合もあります。治療をする歯科クリニックを、事前によく確認しておきましょう。
即時荷重の手術は1回法でおこなわれます。また、多くの場合、歯肉を切開しない「フラップレス」でおこなわれます。顎の骨に穴を開けて、インプラント体を埋入。少し休憩を挟んでから、仮歯を装着して、かみ合わせなどを確認してその日の治療は終了です。
即時荷重の1例として、80歳女性の症例を紹介します。
この女性は下顎に全部床義歯(総入れ歯)をしていますが、入れ歯が合わなく、咀嚼困難と話しづらいという症状がありました。調べてみると、歯槽骨が高度に吸収され、入れ歯が合わなくなっていることが分かりました。入れ歯を再制作するよりも、2本のインプラントで全部床義歯を支える「インプラントオーバーデンチャー」のほうがQOLに好影響を与えると判断しました。手術方法は、歯肉を切開しない「フラップレス法」で実施、コンピュータシミュレーションによって「即時荷重」も可能だと判断されました。結果は順調で、初期固定もうまくいき術後3ヶ月程度で仮歯から上部構造に移行、状態も安定していました。
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