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ソケットリフトとは

ソケットリフトとは、上顎のインプラント治療で骨の量が足りない場合におこなわれる骨造成方法です。上顎の上部には「上顎洞(じょうがくどう)」という空間があるため、下顎と比較して骨が薄くなっています。そのため、インプラントの埋入には、十分な注意が必要になります。それは、骨と上顎洞の間に薄い粘膜があるので、それを傷つけないように治療をする必要があるからです。ソケットリフトは、インプラント体を埋入する部分からアプローチして、粘膜を持ち上げて骨補填材などを入れる方法です。インプラント埋入手術と同時におこなわれることが多い術式です。

ソケットリフトのメリットデメリット

メリット

ソケットリフトの大きなメリットは、インプラント埋入をおこなう場合、垂直的な骨の量が不足している場合でも、治療がおこなえることです。また、インプラント体を埋入する部分に穿孔していくため、身体への負担も少なく、傷口が小さいので感染症の確率も低減できます。そのため、骨造成法のなかでも、比較的リスクが低いと考えられています。インプラント埋入手術と同時におこなえることも身体への負担を軽減できる要素でしょう。

デメリット

ソケットリフトのデメリットとしては、適応範囲があるということです。インプラントを埋入しようとする部分の骨の厚みが、概ね6ミリ以上程度ないと、ソケットリフトの適応にならないのです。それ以下の場合には、「サイナスリフト」という方法になります。また、小さな孔を開けてそこから上顎洞を覆う粘膜(シュナイダー膜)を持ち上げ、骨補填材を入れるため、視野が確保できず、手技が不安定になる場合もあります。

手術の流れ

ソケットリフトの手術では、まず、インプラント体を埋入する部位に特殊なドリルによって孔を開けます。最近では、ドリルの代わりに超音波を発生させる医療機器を使用する場合もあります。穴が空いたら、特殊な器具を挿入して、上顎洞を覆う粘膜(シュナイダー膜)を持ち上げ、骨補填材を充填していきます。その後はインプラント体を埋入して、手術は終了となります。

ソケットリフトの症例

この論文は、ソケットリフトの臨床的な評価をおこなうために実施された調査の内容と結果です。1992年から2011年までおこなわれ、計150人、181本が対象となっています。結果としては、この期間のインプラント残存率は96.7%となり、平均的なインプラント残存率である10年間で約90%を上回りました。

その理由としては、ソケットリフトを実施したことにより、適正な長さと太さのインプラント体が埋入できたことがあげられます。この結果によって、ソケットリフトは臨床的な有効性があると考えられます。

参照元URL:ソケットリフトを併用した 上顎臼歯部インプラントの臨床的評価

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