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「インプラント」には実はメーカーが数百以上あり、それぞれ性能が違うということをご存知でしょうか?さまざまな種類があり、歯科医院によって採用しているインプラントが異なります。
自分ではどのようなものを選んだら良いのか迷う場合もありまが、中でも注意したいのは格安インプラント。あまりにも安い料金で治療が行えるような場合には、少し注意が必要とされています。
また、インプラントは「フィクスチャ(インプラント本体)」「アバットメント」「被せ物」の3つから構成されています。基本的にはチタンという金属を使用しているため、金属アレルギーの方は注意する必要があります。しかし、金属アレルギー対応のインプラントがありますので、チェックしてみることをおすすめします。
ここでは、金属アレルギーに対応したインプラントを扱っているメーカーをご紹介します。金属アレルギーだけれどインプラント治療も気になるという方は、ぜひチェックしてみましょう。
スイスのバーゼルを本拠地とするストローマンは、1954年に研究所が設立されたことが歴史の始まり。当時は20名の従業員からスタートしたストローマンですが、現在では世界シェアNo.1のインプラントメーカーとして知られています。
人工ダイヤモンドとして知られるジルコニア製のインプラントフィクスチャーを使用したインプラントシステム。ジルコニアセラミックは耐熱性や耐食性、耐久性も高く、さらに歯垢も自分の歯やチタンよりも付きにくいという点においてメリットがあると言われています。
スイスに本拠地を置き、「セラミックインプラント」のグローバルリーダーとして知られているZシステム社。15年以上の経験を生かし、さまざまなインプラントシステムを研究・開発・製造を行ってきました。
2001年に開発された、金属を一切使わずセラミック(ジルコニア)で作られているインプラントです。世界で40,000本以上の実績があり、種類も豊富にあるため患者の状況に合わせて選択ができる点が特徴といえるでしょう。
スペインのバルセロナに本拠地を置いているインプラントメーカー。セラミックインプラントの開発で世界をリードしている会社です。
ジルコニア製のインプラント。2010年にバルセロナ大学で行われた調査によると、セラルート社のジルコニアインプラント831本の成功率(5年後)の成功率は95%であったというデータもあります(※)。
※データ参照元:ナチュラルクリニック大阪(https://www.sizensika.jp/zirconia_implant/)
続いて、世界的によく知られているインプラントメーカーと製品名・特徴などについて紹介していきます。インプラント治療を検討する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
ノーベルバイオケア社は現在はスイスに本社を置く、インプラントシステムのパイオニア。同社のブローネマルクインプラントは、世界で初めて製品として展開されたインプラントシステムとして知られています。
初めて人体に応用してから40年以上の歴史を持ち、50以上の国で使用されているインプラントシステムです。チタンを使用しており、高い汎用性を持つというメリットがあります。そのため、患者の骨質などにより選択することが可能です。
ジンヴィは、歯科だけではなく、脊椎外科領域でも手術機器などを製造するメーカーです。2022年にジンマーバイオメット社から分社化した企業です。歯科インプラント分野では、「T3インプラント」などを販売。これらの製品では、独自の技術によって、ナノレベルの表面性状を実現しています。この技術は、DCDと呼ばれ、ブラスト処理 + ダブル酸処理された表面上にナノレベルのHA結晶を溶着させることで、更に微細で複雑な表面を実現しています。
アメリカのペンシルバニア州に本社をおいているデンタルソリューションカンパニーです。歯科医療機器や歯科材料などの製造や販売、輸入を130年に渡って行ってきたという歴史があります。
少ない部品で高い汎用性を実現しており、さまざまな部位に使用できる点が特徴です。ショートインプラントのバリエーションも豊富に用意されており、骨の幅が狭く治療が難しいとされていたケースでも、治療を受けられる可能性があります。
家電製品メーカーとしてのイメージが強い京セラですが、インプラントの開発・販売を行っています。国産メーカーとして最も歴史を持っており、1978年に日本初のインプラントとして提供を開始しています。
POIは1989年に開発されたインプラントシステムです。骨との結合性を高めるために高強度のチタン合金を表面処理している点が特徴。日本国内で採用している歯科クリニックが非常に多いインプラントシステムとなっています。
2005年に設立されスイスに拠点を置くメーカー。「他社とは違うこと」を大きな方針として掲げているのが特徴的。とりわけ金属を用いないセラミックインプラントの分野で注目を集めています。
Dentalpointでは2009年に初のセラミック製インプラントの発売を開始。以来、研究と開発を積み重ね、2012年にセメントセラミックインプラントシステムであるZERAMEX TZERALOCKを発売。そして2015年にはスクリュー接続を備えた100%金属フリーのツーピースセラミックインプラントZERAMEX P6を発表。現在は金属フリーの上リバーシブルでねじ固定が可能なZeramex XTを販売しています。
韓国Osstem Implantとパートナーシップを結んでおり、日本では東京・品川区のOsstem Japan関東本社が窓口。インプラント関連製品のネット通販にも対応しています。
SA表面処理はサンドラストおよびエッチング処理を施すことで骨芽細胞への働きかけを促進させ、骨との癒着をより短くするための技術。またインプラント体は、サイナスや抜歯即時での治療が必要な場合に適したテーパー形状となっています。
アメリカを拠点としているインプラントメーカーで、日本では東京都千代田区の株式会社カイマンデンタルが輸入代理店を務めています。30年以上にわたる研究を重ね、骨との結合をより強固にするという「Laser-Lok」という独自の技術が特徴。
テーパー形状のインプラント体で、アバットメントがあらかじめ装着されている「3inOneタイプ」が用意されています。3種類の補綴プラットフォーム直径と4種類のインプラント体の長さから選ぶことができます。
2015年に設立された独自開発インプラントシステム「バイオフィックス」をはじめ、歯科医師用の各種製品も多数手がけている日本メーカーです。
素材に純チタン(グレード4)を採用することで強度と生体親和性を両立し、インプラント体の形状に独自のデザインを施すことで、骨質に左右されない初期固定、およびオッセオインテグレーションが得られます。
スイスのグレンヘンを本拠地とし、ドイツ、オールとリア、フランス、スペイン、アメリカ、カナダと世界各地に子会社を有するグローバルメーカー。日本では大阪府吹田市の株式会社モリタが正規代理店を務めています。
埋入の直前に、アルカリ性のコンディショニング剤で満たされた専用カートリッジからインプラント体を押し込む。コンディショニング剤がインプラント体の表面を浸し超親水性になることで、血液浸潤性を高め、タンパク質を均一に吸着できる性質を確立。骨との結合性を向上させます。
1980年代より前身会社が東京医科歯科大学や日本歯科大学、三井記念病院とともにAQBインプラントの研究・開発に従事。2017年埼玉県所沢市に設立されました。「Simple is the Best」を基本理念に、シンプルであるがゆえに、多様な特性を生み、よりよい治療の提供に努めています。
AQBインプラントは、純チタンのインプラント体に再結晶化ハイドロキシアパタイトを薄膜コーティングしているのが特徴。シンプルな形状・システムでありながら、安定性と有効性に優れた構造をもつインプラント体です。
東京都品川区を本拠に1988年に設立。1997年にインプラントの製造販売を開始し、現在ではアメリカ、中国、台湾、韓国などをはじめ、海外にも精力的に販売を展開しています。インプラントに関連するシミュレーションシステム等の販売にも対応。
β-TCPとアパタイトの共晶セラミックスを用いてインプラント体の表面をブラスト処理した上で、純水による超音波洗浄を実施。この工程によって骨伝導能が高まり、オッセオインテグレーションを獲得します。
スイスのバーゼルを本拠地とするインプラントメーカー。1999年にインプラント市場に参入以来、ドイツで高いシェアを獲得しています。
「Tube-in-Tube」という独自の方式を用いることでインプラント体とアバットメントとの接続を正確かつ、接続により回転が防止され安定します。直径が3.3mmと小さいタイプ。
東京都町田市を本拠地としており設立は1996年。一般社団法人日本歯科インプラント器材協議会にも所属しており、臨床医との密な協力関係によって製品を開発しているとのこと。インプラント関連はもちろん、歯科治療器具などの製造販売をおこなっています。
アバットメントの傾斜角度と8枚の花びらのような接合部の構造によって、回転防止に寄与します。患者の状態に合わせて、「サンドブラスト+酸エッチング+グロー放電処理」(SAG)と「サンドブラスト+酸エッチング+薄膜HAコーティング」(BiO)の2種類の表面処理が選べるようになっています。
名称の通りスウェーデンを本拠地に1972年に設立。広大な敷地に自社の生産施設等を有しており、主にインプラント向けの研究開発や製品の設計・製造などを手掛けています。
インプラント体上部のアバットメント接合部分はUTM(Ultrathin Threaded Microsurface)表面処理がされ、プラークが蓄積するのを防ぎます。インプラント体は酸化ジルコニウムでサンドブラストが施された、ZirTi表面処理の技術が特徴。これにより骨とインプラントの接触面積を増やし、骨と癒着しやすくなる処理がされています。
尾張北エリアで、インプラント治療を行えるだけの専門的な知識と技術を持つ医師が在籍し、精密な検査や治療を行える設備をそなえたクリニック厳選しました。インプラントを長く使い続けるためのメンテナンス体制にも注目してください。